嘘と本当(長文注意)

録画しておいたパンクラス1月30日後楽園ホール大会と、
大相撲トーナメントを見た。
ウマハノフがKOされ、朝青龍が優勝した。
ウマハノフはキックを受けて倒れ、2、3発のパンチをもらった後、
相手の足をつかまえて技に入ろうとしていた瞬間に、試合を止められた。
レフェリーの裁定は妥当だが、試合を続行している人間をノックアウト
負けにすることに、なんだか割り切れぬものを感じる。
現に、ウマハノフは試合終了後も平然とした顔で帰っていった。
ダメージがほとんどなかったのだ。
一方、大相撲トーナメントは、番組をあげて朝青龍を応援していて、
亀田一家のボクシングを見ているかのような具合だった。
僕は朝青龍のファンなのに、番組のあり方に疑問を持ったほどだ。
ウマハノフははっきりとノックアウトされたし、朝青龍は文句なしの
強さを見せた。
なのに、わだかまる思いを抱いてしまうのはなぜなんだろう。



と、思っていたときに、ピンクフロイドのドキュメンタリーを見た。
格闘技は明らかにドキュメンタリーなのに、このロックバンドの
ドキュメンタリー作品の方に、遥かにドキュメンタリー性を感じた。
何が本当で、何が嘘なのか。
ピンクフロイドのドキュメンタリーなんて、本当は何を考えているやら
わからない奴らのインタビューで成り立っているんだから、虚実いりまじって
いるにちがいないのに。



と、思っているときに、今日見てきたミルキーハットの単独ライブを
思い出した。
最後に、メンバーを卒業したカヨからの手紙をサヤカが読み、
マミカもレナも号泣していた。
カヨは腰痛のためにメンバーを抜けた。
でも、手紙の内容から考えると、メンバーをやめたのは突然のことだった
ようだ。
メンバーをやめねばならないよほどの事情があったのだろうと推察される。
カヨのファンだった僕は、泣いても泣いても、悔やんでも悔やんでも
悔やみきれない。
僕が何らかの力になれなかったのか、という無力感。



と、思っているときに、先日のvijonのライブを思い出した。
そこでは、ぜんそくを理由にアイドル活動をやめたはずの少女が
ソロで歌っていた。
まあ、彼女の場合は、vijon前にもライブを見ていたので、
「ああ、やめたのには何かわけがあったんだな」とわかっていたけど。
でも、くりかえし、思う。
何が本当で、何が嘘なのか。



嘘だらけの人生を送っている僕も、他人の嘘は見抜きたいのだ。