素消しなランデブー

書評家の吉野仁の「巧言令色吉野仁」に興味深いことが書かれていた。
プロとして活躍する人と、素人の違いはどこにあるのか、という件。
素人は、ステージで、自分の「素」が出てしまうのだ。
だから「素人」だ、と。
な〜るほど。
ステ−ジでプロとして立つためには、「体が覚えている」レベルでないと
だめなのだ、と。
最近は、プロが間違ってうっかり「素」の部分を見せるところを喜んだりする
傾向がみられるように思う。
これは大いに間違っているとしか言い様がない。
客がプロを自分の立っている場所までひきずりおろそうとしているのは、醜い。
ステージと客席が限り無く接近するのは、別にかまわないと思っている。
でも、ステージはステージ。客席は客席なのだ。
ステージに立つ以上、そのために自分がいかに努力し練習し悩み苦しんだか
なんて、客にとってはどうでもいい。
素人ならば、ステージに立つまでの苦労にスポットライトが当たってもいいが、
プロはそんな苦労に視線が行っただけで、失敗だ。
だから、最近の「かくし芸大会」はプロの芸でなくなっている。
努力とか苦労なんて、誰でもできるのだ。
プロなら、結果で勝負しろ。
これは、自分への戒めでもあります。
プロとは、言い訳無用の世界なのだ。
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