体臭のためお先マックラの私

カート・ヴォネガット・ジュニアの『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』の中に、
体臭についてのエピソードがある。
「マディソン街の広告屋どものおかげで、だれもがソ連と中国とキューバを合わせたよりも、
自分の腋の下の臭いを気にするようになってしまった」というくだり。
そのあと、キルゴア・トラウトの作品にこんなのがある、とストーリーを語る。
匂いとの戦いにやっきになった国の話。
万能化学防臭剤の発明に国として取り組むが、当国の独裁者は、すばらしい発見をして、
根本的に解決をしてしまう。
防臭剤を発明したのではなく、国民の鼻を取り除いたのだ。



黒田みのるの『大誕生』という漫画を読んでいたら、体臭の話題がとりあげられていた。
巻末のQ&Aで、「体臭のためにお先マックラの私」とタイトルのついた質問が。
病院行ったり、食餌療法しても体臭がひどくて、同僚から陰口をたたかれ、
「もう死にたい毎日です。助けて下さい」というのだ。
黒田みのるは、それにどう答えているか。
体臭の原因は、動物霊が憑依している場合、爬虫類が憑いている場合、
悪霊がついている場合がある、と。
具体的に解決法を示してはいないが、体臭は除霊でなおることは明らかになった。



臭いの問題を解決するには、夢のような万能防臭剤を待つか、独裁によって鼻を除去するか、
除霊するか、3つの方法があるとわかった。
「どれもこれも」である。