筒井康隆

hozan2007-07-05

録画しておいたアニメ夜話時をかける少女」を見た。
筒井康隆はたしか72才だったと思う。最近、筒井康隆を見るたびに、「ベニスに死す」のダーク・ボガードを連想してしまうのは何故?
筒井康隆が語っていたのは、東浩紀の「ゲーム的リアリズム」のことだった。
あとがきによると、『ゲーム的リアリズムの誕生』は筒井康隆に捧げられた本だというので、それに筒井康隆が答えた、ってことなのだろう。ほとんど『ゲーム的リアリズムの誕生』のキャンペーンみたいだった。
そう言えば『群像』7月号での東浩紀との対談「キャラクタ−小説とポストモダン」では、東は筒井康隆を新しく解釈しなおして、評価している。筒井自身が、「えっ、俺ってそんなにすごいの?」とでも言い出しそうなくらいだった。
しょこたんも最近、筒井康隆にはまってるらしいし、筒井康隆のブームがまた来そうだな。
なお、この対談で筒井康隆が発言した、日本での私小説の発展の理由が興味深かった。自然主義文学のように自然を描写してページをもたせることが日本人にはできなくて、私小説に向かった、というのだ。俳句などの省略文学のことについても語っていたが、それはどうなんだろう。東がそのとき言ったように、言わずとも了解できる共通の地盤、教養あっての省略なんじゃなのかな、というふうに、僕は思う。
そしてまた、東が言うには今のライトノベル読者は、ハルヒ以降の本しか読まなくて、そこでも世代の差が出来ている、とさ。
共通の教養がますます失われてしまっている。ライトノベルは同世代の作者による同世代の読者に向けた本、ってのが定着しているけど、東がハッパかけるように、筒井康隆ライトノベル書いたりしたら、すごいと思う。
すごいどころか、『yomyom』vol.3のインタビュー記事「<とんでもない小説>が読みたくて」(インタビュアー:大森望)で筒井康隆は、本当かどうか、次作はライトノベルです、と言い切っていた。
ウヒャー!